交通安全の重要性は誰もが認識していますが、実際に事故ゼロの社会を実現することは決して簡単なことではありません。今回は安全運転スコアの可視化、科学的データの提供によって、楽しみながら安全運転を身につけ、さらにその成果を地域全体の課題解決に活用するアプローチを示すことができました。これらを単発のイベントで終わることなく、持続的な展開を通じて、より多くのドライバーの意識改革を促していくことが今後の大きな課題となります。
安全運転の徹底は、事故そのものの減少につながることはもちろん、エコドライブによるCO2排出量の抑制、事故が減ることにより車両損傷が少なくなった結果の産業廃棄物削減といった副次的効果も期待されます。損害保険会社としては、事故発生時に頼りになるという従来の役割に加え、テレマティクス技術によって事前のヒヤリハット情報を地域に還元し、事故を未然に防ぐ動きも加速させたいと考えています。
収集された膨大な走行データは、交通安全以外の分野での活用も期待されています。たとえば観光振興では、走行ルートの分析により効果的な観光プロモーションの素材として活用できる可能性があります。また、走行中の振動データを分析することで道路修繕箇所の特定に役立てたり、安全運転の徹底によるエコドライブでCO2排出削減効果を数値化したりと、多方面への応用が検討・実施されています。
高齢社会においては、元気な高齢者が安心して運転を続けられる環境づくりも重要なテーマです。客観的なデータに基づく運転技術の評価により、自信を持って運転を継続できる高齢者の増加は、地域の活性化にもつながるでしょう。
主催者であるあいおいニッセイ同和損害保険株式会社大分支店で、本イベントの企画立案から実行までを推進した大分営業開発課・藤田京佑さんは、初回にもかかわらず多くの団体や企業が理念に共鳴して参加してくれたことには「想定以上でした」と述べ、「今後は、参画いただいている様々な企業・団体様同士をつなげていく「アレンジャー」としての役割発揮をすることが今後の私たちの使命だと考えています。弊社だけが中心にいるのではなく、「SAFE TOWN DRIVE OITA」の仲間同士が大分県のために役立つような枠組みを作れるようにリードしたいと考えていますし、この取り組みがその第一歩になれば嬉しいです」と今回の成果を足がかりに、さらに大きな社会的インパクトを生み出していきたいと決意を語っています。