車検切れの車を運転した際の罰則とは?車検切れへの対処法や費用の目安などを解説! 自動車・安全運転 2025.08.27 公道を車で走るには、定期的に車検を受けなければなりません。車検が切れていると罰則の対象となるケースもあるため、扱いに注意する必要があります。この記事では、車検切れの車に関する罰則や車検切れへの対処法などを解説します。車検の取得にかかる費用や、車検切れの車の運転が発覚する理由についてもまとめています。 パンフレットを見る> 目次 車検切れの車に関する罰則 車検切れ自体に罰則はない 車検切れの車では公道を走れない 自賠責保険も切れていると罰則が重くなる 車検切れになった場合の対処法 車検を受ける 仮ナンバーを申請して取得する 売却する 廃車にする 車検の取得にかかる費用 法定費用 車検基本料金 その他費用 車検切れの車はかなりの確率で摘発される 車検の有効期限ステッカー ナンバー自動読取装置 無車検車・無保険等車通報窓口 車検の有効期限と確認方法は? 車検の有効期間 車検の満了日の確認方法 車検切れの車を保有するメリット まとめ 車検切れの車に関する罰則 まずは、車検切れの車に関する罰則の種類や、罰則が科されるケースを解説します。 車検切れ自体に罰則はない 車検を更新していなくても、罰則の対象になることはありません。車検が切れている車の所有についても法的な問題はなく、私有地であれば原則として運転も可能です。 車検切れの車では公道を走れない 道路運送車両法第58条により、車検を受けて有効な車検証が交付されている車でないと、公道を走れないと定められています。そのため、車検が切れた状態の車で公道を走ることは、法律違反として罰則の対象です。 具体的には、道路運送車両法第108条により刑事罰が科せられます。無車検運行によるペナルティは、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。さらに、行政罰として違反点数が加点されます。無車検運行の違反点数は6点で、行政処分の前歴がない状態でも30日間の免許停止処分となります。 ※参考: 道路運送車両法 | e-Gov 法令検索 自賠責保険も切れていると罰則が重くなる 公道を走るためには、自賠責保険への加入も義務付けられています。自賠責保険に加入していない状態で公道を走ると罰則の対象となります。車検切れの車は自賠責保険も切れている可能性が高いため、注意が必要です。 車検と自賠責保険の両方が切れていると、罰則が合算されて高額になるだけでなく、免許停止期間も長くなります。無車検運行と無保険運行の併合罪の場合、1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金です。行政罰については、違反点数は6点で、90日間の免許停止処分となります。 車検切れになった場合の対処法 車検切れになった場合の対処法として、次の 4 つが挙げられます。 車検を受ける 仮ナンバーを申請して取得する 売却する 廃車にする ここでは、それぞれのメリット・デメリット、注意点を解説します。 車検を受ける 車検切れの車を公道で走らせたい場合は、決められた手順に従って車検を受ける必要があります。車検が切れた車は、廃車手続きの有無により、検査の形式が異なります。車の状態を確認したうえで「継続検査」「新規検査」のいずれかを実施しましょう。 継続検査 廃車手続きをしていない場合は継続検査を受けることになります。継続検査に有効期限はないため、車検が切れて 3 日の車も 1 年以上経過した車も手続きに違いはありません。ナンバープレートがついている状態の車両は、すべて継続検査の対象です。 ただし、自動車税の未納分があると検査を受けることができません。また、車検切れでの公道走行は法律違反となるため、レッカー車を手配したり、仮ナンバーを取得したりして、車検を受ける場所まで車を持ち込む必要があります。 新規検査 廃車手続きをしている場合は、新規検査を受けることになります。一時抹消登録などを行い、ナンバープレートがついていない状態の車両は、新規検査の対象です。一時抹消登録とは、自動車税や自賠責保険の支払い義務がなくなる制度のことです。ただし、長期間使用せずメンテナンスをしていない車は、整備費用が高額になりやすいため注意しましょう。 仮ナンバーを申請して取得する 日常的に使用している車が車検切れしていた場合は、仮ナンバーの申請を行います。仮ナンバーの正式名称は自動車臨時運行許可番号標で、市区町村から仮のナンバープレートが一時的に貸し出されます。 書類に不備がない限り即日交付されますが、有効期間は最長 5 日間です。仮ナンバーを取得することで、車検が切れていても公道を運転することができるようになります。車検を受ける場所まで、すみやかに車を移動させましょう。 売却する 車検が切れていても、そのまま車両を売却することができます。今後乗る予定がない車であれば売却するのも選択肢の 1 つです。中古車販売店に持ち込んだり、引き取りサービスを利用したりして、買い取ってもらいましょう。なお、車検切れしている車でも査定がマイナスになることは基本的にありません。 廃車にする 車検切れの車に乗る予定がない場合は、廃車にする方法もあります。完全に解体して廃棄するときは永久抹消登録を行います。一時抹消登録をしている車を廃車にする場合は、解体の手続きが必要です。 将来的に廃車にするか、再び公道を走らせるか悩んでいるときは、一時抹消登録がよいでしょう。一時抹消登録なら、再び自分が所有者となり、公道を走らせることも可能です。今後の車の使用予定や状況にあわせて、適切な方法を選びましょう。 車検の取得にかかる費用 車検には、「法定費用」「車検基本料金」「その他費用」の 3 つの費用がかかります。ここでは、それぞれの内容と相場を紹介します。 法定費用 法定費用とは、車検を受ける際に一律でかかるコストです。内訳は、「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙代」となっており、車種によって料金が定められています。 名称 費用 自動車重量税 8,200 円~ 4 万 9,200 円(普通自動車、エコカー減税対象外) 自賠責保険料 1 万 7,650 円(普通自動車 24 か月) 印紙代 1,600 円(普通自動車、指定工場、 OSS※1 ) ※1 : OSS とは国土交通省が提供する自動車保有関係手続のワンストップサービスのこと。 基本的に、法定費用はどこで受けても変わりません。ただし、指定工場以外に依頼した場合、印紙代のみ金額が変動する可能性があります。また、法定費用は適宜見直されているため、必ず最新の情報を確認しましょう。 車検基本料金 車検基本料金とは、車検を依頼する店舗に対して支払う費用です。内訳は「基本点検技術料」「整備技術料」「代行手数料」「事務手数料」などとなります。金額は一律ではなく、車検を行う店舗によって異なります。車検を依頼できる店舗としては、以下の種類があります。 カーディーラー 車検専門店 ガソリンスタンド カー用品店 それぞれ整備の内容や取り扱う部品も変わるため、比較したうえで車検を受ける場所を決めましょう。 その他費用 その他費用とは、車検そのもの以外に必要となるコストです。例えば、車検切れの車を運ぶためのレッカー代や、仮ナンバーの取得費用などが挙げられます。車検が切れている場合は、整備費用やその他費用が高額となるケースがあるため、事前に確認しておくと安心です。 車検切れの車はかなりの確率で摘発される 「車検が切れていても見つからないのでは?」と考えることがあるかもしれませんが、警察や道路監視システムは、車検切れ車両の摘発に対して厳しい対応を取っており、車検切れの車はかなりの確率で発見されます。短時間かつ短距離の運転でも法を犯す行為となるため、車検切れのまま公道を運転することは絶対に避けましょう。 車検切れを判別するのは容易です。発見されるシーンをいくつか紹介します。 車検の有効期限ステッカー 車のフロントガラスには、車検の有効期限を示すステッカーである検査標章が貼られています。表面に有効期限の満了年月、裏面に満了年月日が記載されているため、その部分を確認すれば第三者でも簡単に判別が可能です。ステッカーの色は一定期間で変更となるため、色の違いによっても車検が切れているかがわかります。 ナンバー自動読取装置 日本では自動車のナンバープレートを自動的に読み取れる「ナンバー自動読み取り装置(通称:Nシステム)」が稼働しています。2018年より可搬型Nシステムとして、新たに車検切れの車両を補足する機能が装備されました。これにより、カメラで走行中の車のナンバーを撮影し、車検切れを判定できるようになっています。 無車検車・無保険等車通報窓口 国土交通省は、無車検車・無保険等車対策の一環として、無車検車・無保険等車通報窓口を設置しています。無車検車や無保険車を見つけた場合に、電子メールや FAX を用いて国土交通省宛てに情報を提供できます。 車検の有効期限と確認方法は? 車検切れには、さまざまなリスクがあるため、期限切れを起こさないことが大切です。ここでは、車検の有効期限と確認方法を解説します。 車検の有効期間 車検の有効期間は、道路運送車両法第 61 条と第 62 条により定められています。詳しい有効期間は、次の表のとおりです。 車種 新規検査 継続検査 自家用乗用自動車・軽乗用自動車 3 年 2 年 自動二輪車(排気量が 250cc を超える) 3 年 2 年 小型自動二輪車(排気量が 250cc 以下) 車検なし 車検なし キャンピングカーなどの特種車( 8 ナンバー) 2 年 2 年 排気量が 250cc 以下のオートバイなどは車検を受ける必要はないものの、自賠責保険を切らさないよう注意が必要です。 車検の満了日の確認方法 車検の満了日は車検証(自動車検査証)や検査標章で確認できます。車検証は基本的に車載されており、検査標章はフロントガラス上部に貼られています。 電子車検証の交付がはじまった 2023 年 1 月 4 日以降は、 IC タグを読み取ることで有効期限の確認が可能です。検査標章は、裏面の「自動車検査証の有効期間の満了する日」に、満了日が記載されています。 車検切れの車を保有するメリット 車検切れの車を所有することによるペナルティはありません。一時抹消登録すれば、自動車税の支払い義務もなくなります。海外赴任や長期入院などで車に乗る予定がない場合は、手続きを行うことで費用の負担を軽くすることができます。車検切れになっても任意のタイミングで車検を受ければ、再び公道を走行できるようになります。 まとめ 車検切れ自体に罰則はないものの、公道を走らせてしまうと刑事罰が科せられます。車検切れになった車を運転したい場合は「車検を受ける」「仮ナンバーを取得する」といった方法があります。車検の有効期限はさまざまな方法で確認できるため、期限切れにならないよう注意しましょう。 テレマティクス自動車保険 パンフレットを見る> この記事を書いた人 あいおいニッセイ同和損保 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、個人及び法人向けに、テレマティクス自動車保険をはじめとした最新の保険や生活の安全にかかわる情報、企業のリスクマネジメントノウハウを提供しています。 よく読まれている記事 【赤ちゃんを抱っこして車に乗っても良いの?】法律や正しい乗り方を紹介 自動車・安全運転 2025.04.30 子どもを助手席に乗せていいのは何歳から?リスクや注意点を徹底解説 自動車・安全運転 2025.04.30 妊婦さんの運転は大丈夫?妊娠中なら知っておきたいポイントを徹底解説! 自動車・安全運転 2025.04.30 【車での長距離移動】子どもが楽しく暇つぶしできる方法を紹介! 自動車・安全運転 2025.05.30