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妊娠初期の出血は危険?着床出血と生理の違い、他の原因を解説

  • ライフイベント
pixta_126231663_M妊娠初期に出血があり、不安を感じる女性は決して少なくありません。出血の原因によっては心配無用なケースもある一方、医療機関へ行った方がよいケースもあります。本記事では、妊娠初期の出血の原因を解説します。妊娠にまつわるものの他、妊娠に関係しない出血の原因や対処方法も解説しますので、参考にしてください。

妊娠初期の出血「着床出血」とは

着床出血は、受精卵が子宮に着床する際の出血です。精卵から絨毛が伸び、子宮内に根を張る際に少量の出血をすることがあります。着床出血は、すべての妊婦が経験するわけではありません。むしろ、妊婦のなかでも経験する人の方が少ない現象です。ここでは、着床出血の特徴について詳しく解説します。

1:血液の色

着床出血で見られる血液の色には、個人差があります。おりものに血液が混ざったようなピンク色、鮮血、茶色など、いずれもあり得るといえるでしょう。生理のときの血液の色は赤や暗赤色であることが多いため、着床出血の際には「明らかに違う」と感じられることがほとんどです。

2:血液の量・期間

着床出血で見られる血液の量は、生理よりも少ないことがほとんどです。期間は、一般的には妊娠4週目頃に1~2日ほどです。長引くケースもありますが、それでも4日ほどで終わるでしょう。

3:腹痛の程度

着床出血時に、腹痛の症状が出ることもあります。しかし、生理痛のように激しく痛むことはほぼありません。一般的に着床出血の痛みは、チクチクする痛み、お腹の奥が痛い、軽い生理痛などと表現されることが多いです。

着床出血以外にもある、妊娠初期の出血原因

妊娠初期に出血する原因は、着床出血以外にもさまざまなものがあります。妊娠初期に出血する主な原因は、以下の通りです。

1:絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)は、着床時の出血が絨毛膜と子宮内膜の間にたまってできる血液の塊です。少量の場合は、 12 週目頃までに子宮に吸収されて消滅します。一方、大きな血腫の場合は、絨毛膜と子宮内膜の間から血が漏れて出血に至ることがあります。色は赤褐色、もしくは鮮血で、鮮血色から褐色へと変色することもあるのが特徴です。出血は自然に改善することが多いですが、不安な場合は医師へ相談することをおすすめします。

2:異所性妊娠(子宮外妊娠)

異所性妊娠は子宮外妊娠とも呼ばれ、卵巣、卵管、腹膜など、子宮ではない箇所に受精卵が着床する現象です。妊娠 5 週後半~妊娠 6 週頃、子宮内に胎嚢が確認されない場合に、異所性妊娠が疑われます。

 

異所性妊娠では、赤褐色もしくは鮮血の出血が認められます。初期の頃の出血量はあまり多くないものの、診断が遅いと大量出血を起こし母体が危険な状態になるため、迅速な処置が必要です。

 

例えば、卵管に受精卵が着床していた場合、妊娠 7 8 週以降に胎嚢が大きくなることで卵管が破裂してしまいます。そのため、急性貧血、低血圧、頻脈、顔面蒼白、発汗、悪心・嘔吐、意識障害といった症状を、引き起こすおそれがあるでしょう。

3:胞状奇胎

胞状奇胎は、絨毛細胞が子宮内で異常に増殖する現象です。妊娠初期の超音波検査で、子宮内に多数の嚢胞状パターンが確認できた場合に疑われます。腹痛、つわりといった症状が出るケースもありますが、正常な妊娠が成立しているわけではないため、手術による治療が必要です。

 

胞状奇胎では、出血量はごくわずかで、色は赤褐色もしくは茶色です。 侵入奇胎や絨毛がんといった症状へ変化することもあることから、迅速な処置をしなければなりません。

4:前置胎盤

前置胎盤は、胎盤が子宮口を塞いでいる状態で、妊娠 30 週以降の超音波検査で診断されます。無症状であるケースが多いですが、胎盤がはがれて突然出血することがあるため、注意が必要です。前置胎盤による出血量には個人差があり、色は赤やピンクです。出血量が多いと危険度が高く、早めの入院措置になる可能性もあるでしょう。なお、妊娠初期に前置胎盤と診断される場合は、子宮の拡張に伴って胎盤の位置が変化し、改善することもあります。

5:切迫流産

切迫流産は、流産には至っていないが、流産になりかけている状態です。妊娠 22 週未満で出血・腹痛がある場合に診断されることがあります。流産と名がついていても妊娠は継続しているため、医師の指示に従い、安静に過ごしましょう。血液の色は赤褐色、もしくは鮮血で、量は個人差によります。

6:初期流産

初期流産は、妊娠 12 週未満での流産です。原因は赤ちゃん側の染色体異常で、妊娠が継続できないケースと判断できます。出血量は個人差がありますが、>鮮血で、子宮収縮による強い腹痛を伴う場合があるでしょう。

7:内診

内診が子宮に刺激を与えることによって出血するケースも少なくありません。健診などで内診を受けたときは、ひとまず過剰に心配せず、体を休めるとよいでしょう。

妊娠以外の要因でも出血する場合がある

出血の原因は妊娠に関係するものだけではありません。妊娠以外の要因で出血が起こる原因として、以下のものが挙げられます。

1:排卵期出血

排卵期出血は、排卵の数日前~高温期に起こる出血です。エストロゲンの分泌量が急激に変化することで、子宮内膜から出血することがあります。出血量は少量で、色はピンク、もしくは茶褐色が多いでしょう。

2:子宮頚菅ポリープ

子宮頚菅ポリープは、子宮頸管にイボのようなポリープができる状態です。ポリープはエストロゲンの影響でできるもので、多くは良性のため、過剰に心配する必要はありませんが、排便時のいきみや性交渉などで簡単に出血することがあります。子宮頚菅ポリープの出血量は少量で、色はピンク、茶色、赤褐色などです。

3:子宮頸部びらん

子宮頸部びらんは、子宮の入り口付近がただれている状態を指します。これは生理現象で病気ではありませんが、炎症や性交渉などで出血する可能性も考えられるでしょう。出血量は少量で、色はピンク、茶色、赤褐色のいずれかです。

4:子宮頸がん

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスに感染して発症することが多い、子宮頸部にできるがんです。初期に少量の出血があり、だんだん増えていくのが特徴です。血液の色は鮮血、もしくは赤褐色です。疑わしい場合は早めの受診をおすすめします。

5:子宮体がん

子宮体がんは、子宮上部にできるがんです。エストロゲンが過剰になり、子宮内膜が増殖した結果、がんが発生すると考えられています。子宮体がんによる出血量は少量で、褐色のおりものだけが出ることもあります。出血だけを参考にせず、定期的な検診を受けるとよいでしょう。

性器から出血した場合の適切な対処方法

妊娠中であってもなくても、性器から出血があった場合は、まず落ち着いて状態を確認しましょう。血液の量、形状、色をチェックし、記録することをおすすめします。出血の期間や、他の症状もあれば記録しておいてください。さらに不安がある場合は医師に相談し、指示を仰ぐとよいでしょう。特に妊娠中、出血が続くようなら診察してもらうと安心です。

妊娠中の出血や痛みを予防するには?

妊娠中には、ちょっとしたことで出血が起こる可能性があります。妊娠中の出血や痛みを予防する方法を知っておきましょう。

無理せずに過ごす

妊娠中は、休みながら生活することが大切です。長時間同じ姿勢でいたり、ずっと立ちっぱなしでいたりすることは避けましょう。また、お腹や腰に圧がかかりすぎないよう、気を付けてください。

トイレでいきまない

いきむと腹圧がかかって出血につながることがあるため、トイレでいきまないようにすることが大切です。しかし、妊娠中に便秘になってしまうケースは少なくありません。便秘にならないよう、水分を多めに取り、食生活に配慮しましょう。

心配しすぎないように心がける

妊娠中は心身がともにデリケートな状態になりやすいため、強い不安やストレスが原因で、不調を招くこともあります。お腹の子どもや産後の生活のことなどを心配しすぎず、できるだけ穏やかな気持ちで生活することを心がけてください。

医療機関の受診が必要な出血との違い

出血の状態によっては、緊急性が高い場合もあります。まとまった量の出血があった時や、鮮血、腹痛などを伴う場合は、医療機関へ連絡した方が安心です。判断に迷ったり不安を感じたりする場合は、かかりつけ医に電話で相談してみましょう。その際、出血について色や量を聞かれることも多いため、答えられるようにまとめておくと役立ちます。

まとめ

妊娠初期は、さまざまな原因によって出血が起こることがあります。着床に伴う出血など、いくつかの種類は正常の範囲内です。しかし、母体の健康にかかわる重大な事象のサインである可能性も考えられるため、出血の状態に注目し、気になる場合は医療機関を受診しましょう。また、出血が少なく医療機関への受診を見送る場合は、いつ、どれくらい、どのような出血があったかを記録しておくとよいでしょう。次の妊婦健診の際に医師へスムーズに相談できます。妊娠中は体だけでなく気持ちの面でも不安定になりやすいので、心配しすぎず、ゆったりと過ごすよう心がけてください。

この記事を書いた人
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