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冬の安全を守るスタッドレスタイヤの効果とメリット

  • 自動車・安全運転

pixta_97567061_M普段の道とは異なるリスクがある冬の道。この記事では、冬の道で事故のリスクを低減するスタッドレスタイヤの構造から、使用するメリット、メンテナンス方法について解説します。

雪だけじゃない!冬のドライブの危険性

冬の安全を守るスタッドレスタイヤ1

冬のドライブには、見た目ではわからない危険が潜んでいます。一見雪が積もったり凍ったりしているように見えなくても、朝晩の冷え込みで路面が凍結し、アイスバーンとなることもあります。こうした状況下では、通常のノーマルタイヤやサマータイヤでは、思い通りにブレーキが利かず、わずかな坂道や慣れた交差点でもスリップしてしまう可能性があります。

 

公益財団法人交通事故分析センターの「交通事故統計表データ(令和4年版)」によると、令和4年の全国の交通事故件数は30万839件。そのうち、積雪時の事故は2,722件、凍結時の事故は3,484件と、あわせて6,000件以上が雪や氷が関係するものでした。

公益財団法人交通事故分析センター「交通事故統計表データ(令和4年版)」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001745239.pdf

 

冬の交通事故のリスクは、タイヤの性能に大きく左右されます。冬道での安全性を高めるためには、雪や氷の上でも安定した走行を可能にし、万が一のときでも命を守る重要な役割を果たしてくれる「スタッドレスタイヤ」が必需品です。

冬の安全を守る「スタッドレスタイヤ」のメリット

冬の安全を守るスタッドレスタイヤ2

スタッドレスタイヤ最大のメリットは、「氷や雪の上でもしっかり止まることができること」です。とくに凍結した路面(アイスバーン)は、通常のタイヤだとブレーキをかけてもなかなか止まることができません。これは、ゴムが硬くなって路面との摩擦が減ってしまうためです。

日本自動車タイヤ協会によると、乾燥路を基準とした時の、路面別の滑りやすさは以下の通りです。

冬の安全を守るスタッドレスタイヤ3

日本自動車タイヤ協会:路面状況による滑りやすさの比較

https://www.jatma.or.jp/tyre_user/winterroaddrivingandtyres.html

また、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を装着していない場合は、40km/hで走行したときの制動距離が次のように伸びてしまうとされています。

  • 積雪路面:1.60倍
  • 凍結路面:1.56倍

つまり、普通のタイヤで凍結路面を時速40kmで走行中にブレーキをかけた場合、本来止まれるはずの距離の1.5倍以上進んでしまうことになります。もし前方に歩行者や停車車両がいたら、いつもの感覚でブレーキを踏んでも間に合わず、事故を起こしてしまうかもしれません。

こうしたデータからも、「スタッドレスタイヤを履いているか否か」が、冬道での生死を分ける重要な要素であることがわかります。

日本自動車タイヤ協会:スタッドレスタイヤと夏用タイヤの制動距離指数

https://www.jatma.or.jp/tyre_user/winter_tires.html

スタッドレスタイヤの構造・素材の工夫

スタッドレスタイヤは、普通のタイヤと比べてなぜ滑りにくいのでしょうか?その理由は、タイヤの「構造」と「素材」にあります。

まず、スタッドレスタイヤは「柔らかいゴム」を使用しています。気温が低くなると、普通のタイヤで使われているゴムでは硬くなってしまい、路面に密着できなくなります。
一方、スタッドレスタイヤは特殊なコンパウンド(化合物)を使用しているため、低温でもしなやかさを保って氷や雪に密着する性質を持っているのです。

さらに、タイヤ表面には細かい溝が無数に刻まれています。この溝が路面の氷を引っかくことで、グリップ力を高めています。また、タイヤの溝はスリップの原因となる路面の水や雪を効率的に逃がすようにも設計されているため、滑りにくくなります。

近年のスタッドレスタイヤにはより高度なテクノロジーが搭載されており、氷上性能・雪上性能ともに年々進化を遂げています。

進化するスタッドレスタイヤの利便性

冬の安全を守るスタッドレスタイヤ4

スタッドレスタイヤというと、「雪道専用」「乾いた路面だと不便」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、最近のモデルは乾燥路での走行性や静粛性にも配慮されており、都市部でも安心して使用できる性能を備えています。

たとえば、舗装路での走行中のロードノイズ(※タイヤが路面と接触する際に発生する振動が車内に伝わることで生じる騒音)を抑える工夫や、コーナリング時の安定性の向上など、オールシーズンタイヤに近い感覚で使用できるよう改良されています。

また、積雪が非常に多いエリアや、圧雪された急な坂などでは、スタッドレスタイヤとチェーンの併用も選択肢のひとつです。スタッドレスタイヤで走行し、必要に応じてチェーンを装着すれば、さらなる安心感を得られます。

スタッドタイヤの寿命と交換のタイミング

スタッドレスタイヤの性能は、「摩耗」と「経年劣化」によって徐々に低下します。そのため、適切なタイミングで交換を行う必要があります。

一般的に、スタッドレスタイヤの寿命は「3〜4シーズン」と言われており、走行距離にして1万〜1.5万kmがひとつの目安です。たとえ溝が残っていたとしても、ゴムが硬化してしまっていれば、本来の性能は発揮されません。

劣化のサインとしては、以下のような点があります

・溝の深さが新品の50%以下になっている
・ゴムの表面にひび割れがある
・偏摩耗(タイヤの一部だけ極端にすり減っている)
・製造年が4年以上前(タイヤの側面に記載)

 

  • 特に、残り溝の深さ1.6mmを示す「スリップサイン」が露出している場合は、安全のためすぐに交換を検討しましょう。毎シーズン使用前には、必ず専門店や整備工場で状態をチェックすることをおすすめします。

どれだけ備えても事故は起きるからこそ、保険が必要です

 

事故のない快適なモビリティ社会1

スタッドレスタイヤを履いて安全運転を心がけていたとしても、冬の道路は雪や凍結により視界や路面状況が刻一刻と変化し、普段の運転感覚が通用しにくくなります。 

たとえば、ブラックアイスバーン(※アスファルト路面のように黒く見えるのに、実は表面が凍りついている路面)のように、目に見えない凍結路。 あるいは、他の車両のスリップに巻き込まれる形で起きる事故。
どんなに自分自身が気をつけていても、「完全に防ぐことができない」のが交通事故です。

あいおいニッセイ同和損保のテレマティクス自動車保険は、専用の車載器を通じて速度・ブレーキ・アクセル操作などの走行データを解析し、運転傾向に応じた安全運転アドバイスを提供します。

運転ごとに安全運転スコアが算出され、自分の運転挙動を“見える化”して蓄積できるため、冬季と通常時期のレポートを比べることによって、冬に特有の危険行動や危険箇所も自覚しやすくなります。

 

スタッドレスタイヤによる物理的な安全対策に加え、テレマティクス技術を活用した安全運転への取組みを組み合わせることで、冬のドライブをより安心・安全なものにできるでしょう。

また、走行データの活用による充実した事故対応も、テレマティクス自動車保険の特長のひとつです。万が一の事故が発生した際も、24時間365日いつでも平日と同様のサポートが受けられます。走行データにより事故の状況や発生場所を正確に把握できるため、的確かつ迅速な対応が可能になります。テレマティクス自動車保険は、慣れない冬の道のドライブ の、 になってくれることでしょう

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まとめ

冬道の運転では、ちょっとした油断が命取りになります。「しっかり止まれる」「滑りにくい」安心感を得るために、スタッドレスタイヤは欠かせません。

「いつ雪が降るかわからないからまだ履かない」ではなく、「いつ降っても大丈夫なように備えておく」という意識こそが、冬の運転を支えます。本格的に冬を迎える前に準備しておきましょう。

 

(2025年11月承認)GB25-300499

この記事を書いた人
あいおいニッセイ同和損保
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