出産の流れ①:当日のサイン
出産当日には、赤ちゃんとの対面が近いことを示すさまざまなサインがあります。ここでは、出産当日に見られる3つのサインについて解説します。
おしるし
「おしるし」は、出産前に見られる少量の出血のことです。血液そのものの赤色というより、茶褐色やピンク色であることが多いでしょう。とはいえ、おしるしが見られない場合もあり、個人差の大きい現象です。生理用ナプキンを使っても出血が止まらない場合や、出血量が多い場合は、早めに病院へ相談してください。
陣痛
陣痛とは、子宮が収縮することによって起こる痛みです。初産の場合は特に不安を感じる人も多いですが、赤ちゃんを外へ送り出すために起こる自然な働きです。出産が近づくと、痛みの間隔が次第に狭まり、不規則な痛みが規則的なものへと変化していきます。一般的には、陣痛が10分おきになったら産院へ連絡する目安とされています。
※参考:おしるし、破水、陣痛について|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
破水
破水は、子宮内の羊水が外に流れ出る現象です。ぬるま湯が流れ出すように感じることもあれば、少量ずつ出る場合もあります。通常は陣痛が始まった後に起こりますが、陣痛より先に破水することもあります。破水が起こった場合は、陣痛を待たずに産院へ連絡し、指示に従いましょう。
出産の流れ②:兆候が現れてから赤ちゃんが出てくるまで
おしるし、破水といった出産の兆候が見られてから、実際に赤ちゃんが出てくるまでの流れは、以下のとおりです。
分娩第1期
分娩第1期は、陣痛が始まってから子宮口が全開大になるまでの期間を指します。開口期とも呼ばれます。分娩第1期にかかる時間は、初産婦では13時間程度が目安とされていますが、経産婦ではこれより短いこともあります。陣痛の間隔や子宮口の開き具合によって、潜伏期・加速期・極期・減速期の4段階に分けられます。
分娩第2期
分娩第2期は、子宮口が全開大になってから胎児が娩出されるまでの期間を指します。赤ちゃんが実際に生まれてくる時期であることから、娩出期とも呼ばれます。分娩第2期には、陣痛に合わせて医師や助産師の指示に従い、いきむ必要があります。適切なタイミングでいきむことで、胎児は体を回転させながら産道を通り抜けます。
分娩第3期
分娩第3期は、胎児が生まれた後から胎盤が排出されるまでの期間を指します。後産期とも呼ばれます。赤ちゃんはすでに生まれているため、分娩を進める強い陣痛は終わっていますが、この時期には後陣痛と呼ばれる子宮の収縮が起こります。胎児の生命維持に使われていた胎盤が体外に排出されることで、出産は終了します。
経腟分娩と帝王切開
出産は、赤ちゃんが生まれる方法によって名称が異なります。
経腟分娩
産道を通って赤ちゃんが生まれる出産方法を、経腟分娩といいます。経腟分娩は、通常分娩・無痛分娩・計画分娩に分けられます。詳しい違いは後述しますが、いずれも赤ちゃんが産道を通って外の世界へ出てくる点が共通しています。
帝王切開
子宮を切開して赤ちゃんを取り出す出産方法を、帝王切開といいます。経腟分娩では母子のどちらか、または両方にリスクがあると判断された場合に選択されます。あらかじめ帝王切開で出産することを決めて行うものは予定帝王切開です。一方、当初は経腟分娩を予定していても、当日の状況によって緊急帝王切開が行われることもあります。
経腟分娩の種類・特徴
経膣分娩には、普通分娩、無痛分娩、計画分娩の3種類があります。
普通(自然)分娩
普通分娩は、自然分娩とも呼ばれます。一般的には、自然に始まる陣痛に合わせてお産が進む分娩方法です。状況に応じて、補助的な医療行為が行われる場合もあります。また、普通分娩を予定していても、赤ちゃんや妊婦さんの状態によっては、帝王切開や計画分娩に切り替わることもあります。
無痛分娩
無痛分娩は、陣痛の痛みを和らげるために麻酔を使う方法です。麻酔といっても主に局所麻酔を用いるため、意識は保たれたまま出産します。痛みが軽減されるのが無痛分娩のメリットですが、麻酔の影響で陣痛が弱まり、出産に時間がかかることもあります。また、完全に痛みがなくなるわけではないため、痛みを軽減する方法と考えるとよいでしょう。
計画(誘発)分娩
計画分娩は、あらかじめ出産日を決めて入院し、陣痛促進剤を使って出産する方法です。予定日を過ぎても陣痛が始まらない場合や、予定日前でも母体の血圧上昇などがみられる場合に行われます。陣痛促進剤には副作用の可能性もあるため、計画分娩を選択するかどうかは医師とよく相談しましょう。
出産を助けるリラックス方法
出産時には、分娩の痛みや緊張を和らげるために、さまざまなリラックス法が取り入れられることがあります。ここでは、代表的な方法について解説します。
ラマーズ法
ラマーズ法は、呼吸法と補助的な動作を組み合わせたリラックス法です。「ひっ、ひっ、ふー」などの呼吸法で知られ、ドラマなどで見たことがある人もいるのではないでしょうか。陣痛の痛みは、痛みに対する恐怖心によってさらに強く感じられることがあるため、ラマーズ法では呼吸に集中することで不安を和らげ、陣痛を乗り越えやすくすることを目指します。安心して出産に臨めるよう、事前に呼吸法を練習することもあります。
ソフロロジー法
ソフロロジー法は、ヨガや禅の呼吸法を取り入れたリラックス法です。ラマーズ法のような決まった呼吸リズムではなく、呼吸を整えながらイメージトレーニングやエクササイズを行い、心身をリラックスさせることを目的としています。出産に対する緊張を和らげるため、陣痛が始まる前から事前に練習を行うこともあります。
フリースタイル出産
フリースタイル出産は、本人が楽だと感じる姿勢で出産する方法です。一般的な分娩姿勢は仰向けですが、フリースタイル出産では、妊婦さんが痛みを逃しやすい体勢を取れるため、リラックスしやすいといわれています。ただし、対応している産院は限られているため、希望する場合は事前に確認が必要です。
出産にかかわる医療行為
出産の状況によっては、医療行為が必要になることもあります。代表的なものを紹介します。
吸引分娩・鉗子分娩
陣痛が長引くなどして難産になった場合、出産をできるだけ安全かつ速やかに進めるために行う方法が 、吸引分娩や鉗子分娩です。吸引分娩では、吸引カップを胎児の頭部に装着し、引き出すようにして出産をサポートします。鉗子分娩は、鉗子で胎児の頭部を支えながら娩出を補助する方法です。いずれも、産道から胎児が外へ出るのを外から補助する方法です。
会陰切開
会陰切開とは、はさみを使って会陰を切開する処置のことです。産道の出口が狭い場合に、会陰を広げて出産をスムーズに進めるために行われます。局所麻酔を使って実施するため、切開時の痛みは抑えられることが一般的です。
切開をしない場合、胎児が通り抜ける際に会陰が裂けることがあります。会陰切開を行うことで、裂傷よりも傷口がきれいで、治りやすいとされています
陣痛促進剤
陣痛促進剤は、分娩を促すために使われる薬です。陣痛が始まってもお産がなかなか進まない場合、母子に負担がかかるおそれがあります。そこで、母子の安全を優先し、お産を進める目的で使われるのが陣痛促進剤です。
陣痛促進剤にはいくつか種類があります。例えば、オキシトシンは、点滴で投与して子宮収縮を促す薬です。
知っておきたい出産にまつわる知識
出産に関する用語には、日常ではあまり使わない専門的なものもあります。
意味を正しく知っておくことで、いざというときに情報を理解しやすくなります。
出産の妊娠週数に応じた 呼び方
出産は、妊娠週数によって呼び方が下記のように変化します。
・妊娠22週0日から36週6日まで:早産
・妊娠37週0日から41週6日まで:正期産
・妊娠42週0日以降:過期産
一般的には、妊娠37週0日から41週6日までの正期産が通常の出産時期とされています。
ただし、早産や過期産で生まれた赤ちゃんも、その後健やかに成長している例は多くあります。
※参考:予定日を過ぎているのに、生まれない!(予定日超過)|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
早産と流産
妊娠22週0日から36週6日までの出産は早産に分類されます。
また、早産の可能性が高い状態を切迫早産といいます。切迫早産と診断された場合は、医師の指示に従って安静や治療が必要となることがあります。
一方、流産は妊娠22週未満で妊娠が終了することを指します。
高齢出産の定義
一般的に、35歳以上での出産を高齢出産と呼びます。
近年は出産年令が上昇する傾向にありますが、年令に応じた注意が必要であることから、この呼び方は変わっていません。
出産までの間は、必要に応じて適切な検査を受けたり、医師に相談したりしながら、無理をせず、体調管理に気を配ることが大切です。
出産後の生活
出産後の生活は、出産の経過や分娩方法によってさまざまです。
初産で経腟分娩の場合、入院期間は5~6日程度が一般的です。経産婦の経腟分娩ではこれより短くなることもあり、帝王切開の場合は長くなることがあります。
退院後もしばらくは無理をせず、体を休めながら過ごすことが大切です。十分な休息は、心身の回復を支えるうえで重要です。
出産後は赤ちゃんのお世話が始まり、生活リズムも大きく変わります。家族や周囲のサポートや育児サービスなども上手に取り入れながら、ご自身の体をいたわる時間も大切にしてください。無理をせず休息を取ることが、心身の回復につながります。
まとめ
出産で、赤ちゃんの出てくるところは、出産の方法によっても変化することがあります。妊娠の状態について医師とよく相談し、自分の状態に適したお産を選択しましょう。妊娠や出産、特に陣痛については不安を感じる人は多いかもしれません。
不安が大きければ痛みが増す側面もあるため、事前に出産の流れを確認し、落ち着いて対処しましょう。出産後は、赤ちゃんのお世話が始まり、生活リズムも大きく変わります。家族や周囲のサポート、必要に応じて育児サービスなども上手に取り入れながら、ご自身の体をいたわる時間も大切にしてください。無理をせず休息を取ることが、心身の回復につながります。
また、出産後は、赤ちゃんの通院や買い物などで車を使う機会が増えることがあります。小さなお子さまを連れての移動は何かと負担も多く、万一事故が起きた場合には、赤ちゃんへの対応と事故後の手続きを同時に進めることが大きな負担になることもあります。
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はじめての出産では、出産の流れや分娩方法の違いなどわからないことが多く、不安を感じる人もいるでしょう。この記事では、出産・分娩の流れや分類について詳しく解説します。