犬が車酔いをしている時のサイン
人間と同じように、犬も車の揺れで三半規管や前庭が刺激されたり、車内のガソリンや芳香剤のにおいに反応したりすることで、車酔いを起こすことがあります。
また、過去のドライブで嫌な経験をしたことで、「車=気持ち悪くなる場所」と学習してしまい、乗っただけで緊張から酔いやすくなるケースもあります。
犬は言葉で不調を伝えることができないため、人間がしっかり観察し、ひどくならないように対策をしてあげる必要があります。
車酔いの初期サイン
以下のような様子が愛犬に見られた場合は、車酔いの初期サインである可能性があるため注意が必要です。
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あくびを頻繁にする
- よだれが増える
- そわそわして落ち着きがなくなる
- 耳を後ろに倒している
- 腰が引けている、ブルブル震えている
- ぐったりしている
これらのサインが出たら、できるだけ早く安全な場所に車を止めて、外の空気を吸わせてあげましょう。放置すると嘔吐につながることがあります。
犬がドライブでストレスを感じる要因
できれば、ストレスや車酔いの要因となることは避けてあげたいですね。どのようなことが犬にとって負担になりやすいのかを、具体的に解説します。
1. 振動や揺れが続く時
車の揺れや振動は、犬にとってストレスとなります。特に子犬は三半規管が未発達で揺れに弱い傾向があり、大きな揺れが続くと酔いやすくなります。
また、車のシートは犬を安定させやすい形状ではないため、犬が走行中の揺れに合わせて体勢を保とうとして、疲れやすくなることがあります。
犬用シートベルトを使っていても揺れそのものはあるため、完全に負担がなくなるわけではありません。
特に負担が大きいのは、次のような場面です。
- 急な加速や急ブレーキが繰り返される走行
- 舗装が荒れた道路や段差の多いルートの走行
- 山道などカーブが連続する区間の走行 など
このように、揺れが大きいだけでなく踏ん張る必要がある場面が続くと、精神的なストレスと肉体的な疲労のダブルパンチとなってしまいます。
少しでも負荷を軽減してあげるために、以下のポイントに気を付けて運転すると良いでしょう。
- 幹線道路など、舗装が整った道を選ぶこと
- アクセルやブレーキの操作をより丁寧に行うこと
- カーブの手前では十分に減速し、遠心力を抑えること など
2. 大きな音や車内のにおい
犬の聴覚は人間より非常に優れているため、車内で聞こえるさまざまな音に敏感に反応します。
例えば、エンジン音や振動が大きいと、犬にとっては不快な環境となります。特に古い車や軽自動車の場合は振動が強いため、ストレスを感じやすい可能性があります。
また、高速道路や少し窓を開けたときに聞こえる「ゴーッ」という音は、犬には人間より大きく感じられることがありますし、タイヤのロードノイズも敏感に拾っています。カーナビや電子音などの高音も、犬にとっては気になりやすい音です。
車内で鳴る音は、音楽や映像の音量も控えめにしたり、窓を開ける際には少し声を掛けてあげたりするなど、配慮をしてあげると良いでしょう。
さらに、犬の嗅覚は人間の数千倍〜数万倍優れていると言われています。人間にはほぼ無臭だと感じる環境でも、犬には強く感じられることもあります。
車内は密閉空間のためにおいがこもりやすく、犬にとってストレスや車酔いの原因になりうる要素の一つです。
特に犬が苦手な車内のにおいは以下の通りです。
- ガソリン・オイル・排気のにおい
- 芳香剤・消臭剤の強い香り
- エアコンのカビ臭
- キャリーやシートの古いにおい
人間にとっては良い香りでも、犬には強すぎることがあります。
芳香剤は無香タイプを選ぶ、エアコンフィルターをこまめに交換する、キャリーやシートはこまめに洗うなどを意識し、ドライブ中も意識的に換気をしてあげると良いでしょう。
3. トイレの我慢
長時間のドライブでトイレに行けない状態が続くと、人間と同じく犬もストレスを感じます。慣れない車内で緊張していたり、いつ降りられるかわからなかったりする不安から、排泄を我慢しにくくなる子もいます。
車内でクンクン鳴く、床のにおいをしきりに嗅ぐ、くるくると回るといった行動が見られたら、トイレをしたいサインの可能性があります。
1〜2時間おきに休憩を入れ、短い散歩や排泄の機会を設けてあげると良いでしょう。また、トイレシートで排泄できるよう練習しておくと安心です。
知らないと危険!愛犬の乗せ方で道路交通法違反になるケース
「愛犬を車にどう乗せるか」は、マナーだけの問題ではありません。乗せ方を間違えると、道路交通法違反として反則金や違反点数が科されることがあります。
ここでは、やってしまいがちな違反のパターンと、実際に起きた事故事例を紹介します。
膝の上に乗せて運転する
運転者の膝の上に愛犬を乗せて走行し、視界やハンドル操作を妨げる状態になると、道路交通法上の違反に問われる可能性があります。
これは、愛犬が動くことでブレーキやアクセルの操作に支障をきたす危険があるためです。「小型犬だから大丈夫」という油断は危険で、思わぬ事故につながるおそれがあります。
窓から犬の顔を出させる
走行中に犬が窓から顔や体を出すと、風を浴びて気持ちよさそうに見えるかもしれません。
しかし、愛犬が急ブレーキや急カーブの拍子に車内へ体が戻されてケガをしたり、勢いで車外へ飛び出してしまったりする可能性があり、非常に危険な行為です。
さらに、犬の動きによって運転者の視界が妨げられたり、運転操作に影響したりするおそれや、犬が他車や歩行者に接触する危険も否定できません。そのため、こうした行為は安全運転義務違反に問われる可能性があります。
走行中は窓を開けすぎず、犬が顔や体を出さないようにして、安全に乗せることが大切です。
愛犬と安全にドライブを楽しむためにできること
ここでは、愛犬とのドライブを安全に楽しむ方法について説明します。
犬が乗車している時の事故例
犬の思わぬ動きによって他者を巻き込む事故や、犬自身が被害を受ける事故など、犬が乗車している時の事故は少なくありません。
【事故の例】
- 助手席にいた犬が急ブレーキで前方へ投げ出され、骨折した
- 運転者の膝の上にいた犬が事故時にエアバッグの影響を受け、命を落とした
- 犬がドアに足を掛けた拍子にパワーウインドウのボタンを押し、驚いて窓から飛び出してしまった
- 窓から顔を出した犬に驚いたバイクが転倒した
ドライバーとして交通安全を守ることはもちろん、大切な愛犬の命を守るためにも、犬用も交通安全グッズを用意したり、適切な乗車方法を守ったりしましょう。
ドライブを安全にするグッズと車内環境の整え方
愛犬とのドライブを安全に楽しむために役立つグッズをご紹介します。犬の体のサイズや性格に合ったものを選ぶようにしましょう。
クレート(キャリー)
愛犬の安全性が高い方法の一つは、ハードタイプのクレートに犬を入れ、シートベルトなどで座席にしっかり固定する方法です。事故時でも、愛犬が車外へ放り出されるリスクを抑えやすくなります。
ただし、クレートは犬のサイズに合っていて、かつ車内で確実に固定できることが前提です。中型犬〜大型犬の場合は、クレート自体が大きく重くなるため、設置スペースの確保や固定が難しいことがあります。固定が不十分だと、衝突時にクレートごと動いてしまい危険です。しっかり固定できない場合は、別の安全な方法を検討したほうがよいでしょう。
ドライブボックス・ドライブシート
クレートを嫌がる場合は、クッション性のあるドライブボックスも選択肢になります。犬が中に座ったり伏せたりできる箱型の形状で、主に小型犬向けです。助手席や後部座席に取り付けられるものもあり、外が見えることで落ち着きやすい犬もいます。
ただし、布などの柔らかい素材でできているものが多いため、クレートより安全性は低めです。
また、ドライブシートは後部座席全体を覆うカバーで、座席の汚れ防止やすべり止めに役立ちます。中型犬以上でも使いやすいですが、犬を固定するものではないため、ハーネスなどと併用して安全性を確保する必要があります。ドライブシート単体では、犬の安全確保には不十分です。
犬用シートベルト
犬用シートベルトとは、車のシートベルトなどに接続できる短いリードで、犬に装着したハーネスと繋いで犬の動きを抑えるためのものです。急ブレーキの際の飛び出しや運転席への侵入防止に役立ちます。犬のサイズに応じた製品を選べば手軽に取り入れやすいですが、安全性はクレートより劣ります。
犬用シートベルトを首輪につなぐと急停止時に首に強い負荷がかかり大変危険です。必ずハーネスタイプを使用してください。
その他の車内環境の工夫
直射日光が当たる窓にはサンシェードを取り付け、車内温度の上昇や犬を暑さから守りましょう。
また、犬が窓のパワーウインドウスイッチを踏んでしまうのを防ぐため、チャイルドロックやウインドウロック機能を活用することも安全対策として有効です。
愛犬とドライブを楽しむためのトレーニング
車に乗ったことがない/車が苦手なタイプの犬とドライブを楽しもうと思ったら、いきなり長距離を走るのではなく、段階を踏んで慣れさせていくのがポイントです。
1. まずは車に慣れるところから始めましょう
車に乗ったことがない、または苦手意識がある犬の場合、まずは車自体に慣れさせることが重要です。
最初はエンジンを掛けず、ドアを全開にした状態で車内に座らせるだけで十分です。お気に入りのブランケットやおもちゃを持ち込み、「車の中は安心できる場所」という印象を持たせてあげましょう。
車内で落ち着いて過ごせるようになったら、ドアを優しく閉めてエンジンを掛けてみましょう。大きな音を怖がる犬もいるので、ドアを閉めるときは大きな音が立たないよう気を付けてください。
この段階では走行せず、エンジン音や振動に慣れさせることが目的です。
車内でおやつを与えたり、穏やかに声を掛けたりして、ポジティブな体験と結びつけるのが効果的です。
2. 短距離ドライブで経験を積む
エンジン音に慣れてきたら、5〜10分程度の短いドライブに挑戦してみましょう。
行き先は近所の公園やお気に入りの散歩コースなど、愛犬が楽しいと感じる場所がおすすめです。「車に乗ると楽しいことが待っている」と学習させることで、車への苦手意識を軽減させることができます。
大切なのは、少しでも愛犬に不安な様子が見られたら前のステップに戻ること。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めましょう。
3. 長距離ドライブの準備と実践
短距離ドライブを何度か経験して車に慣れてきたら、少しずつ走行距離を伸ばしていきます。
長距離ドライブでは、以下の点を意識しましょう。
- 1〜2時間ごとにサービスエリアやパーキングエリアで休憩をとり、車外で散歩をさせてトイレと水分補給を行う
- 出発の2〜3時間前に軽めの食事を済ませておく(空腹すぎても満腹すぎても車酔いの原因になりやすい)
- 乗車前に散歩をして適度に体力を使わせ、車内ではぐっすり眠れるようにしておく
- 車内の芳香剤は外し、こまめに窓を開けて換気する
なお、トレーニングをしても毎回車酔いをしてしまう場合は、動物病院で酔い止め薬の相談をするという選択肢もあります。
愛犬に負担を掛けない運転を目指すために
急ブレーキ、急加速、急ハンドルなどの無い滑らかな運転は、犬がストレスを感じたり車酔いを起こしたりする要因を軽減させる効果があります。
愛犬とのドライブを快適に楽しむため、自分の運転を見直してみましょう。
そこで活用したいのが、あいおいニッセイ同和損保の「テレマティクス自動車保険」です。
あいおいニッセイ同和損保のテレマティクス自動車保険加入者向けツールである「あいおいニッセイ同和損保アプリ」を使うと、1回ごとの走行データを取得し、急ブレーキの頻度や速度変化など、自分では気づきにくい運転の傾向を安全運転スコアとして確認できます。
「丁寧に運転しているつもりだったけれど、右折時にブレーキが遅くて急ブレーキになる傾向がある」といった、具体的な気づきが得られる点が特長です。
安全運転への取組が評価される仕組みがあり、スコアに応じた保険料の割引やポイント付与のサービスもあるため、モチベーション維持にもつながります。
「愛犬がいつも車酔いしてしまう」「ドライブ後にぐったりしている」といった悩みがある場合は、車内環境だけでなく運転そのものを見直してみるのも一つの方法です。
まとめ
愛犬とのドライブを安全で快適に楽しむためには、犬のストレスサインの理解と軽減のための取組、法律を守った正しい乗せ方、愛犬のトレーニング、そして丁寧な運転の4つが大切です。
犬がドライブ中に感じるストレスの多くは、飼い主の準備と心掛け次第で軽減できます。
いきなり長距離を走るのではなく、まずは車に慣れさせるところから始め、クレートやドライブボックスで安全を確保しながら、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
そして、ご自身の運転を客観的に振り返り、より丁寧な運転を目指しましょう。安全運転の取組には、日々の運転をスコア化して確認できる「テレマティクス自動車保険」が役立ちます。
愛犬への思いやりを持った運転で、素敵なドライブをお楽しみください。
よくある質問(FAQ)
Q. 犬を助手席に乗せることは違反になりますか?
犬を助手席に乗せること自体は直ちに法律で禁止されていませんが、犬が自由に動き回れる状態だと、安全運転義務違反に問われる可能性があります。
助手席に乗せる場合は、座席に固定できるドライブボックスや犬用シートベルトを使い、犬が運転操作を妨げない状態にしておくことが重要です。
※クレートを助手席に置くと、エアバッグ作動時に前方から強い力が加わり、クレート内の犬が逃げ場を失って強い衝撃を受けるおそれがあるため、助手席への設置は推奨されていません。
Q. 犬が車に慣れたら車酔いしなくなりますか?
段階的に犬が車に慣れるトレーニングを行うことで、車酔いをしなくなる可能性はあります。
止まった車に乗る→エンジン音に慣れる→短距離ドライブ→少しずつ距離を伸ばす
という順番でトレーニングをしてみましょう。
ただし、犬によっては体質的に酔いやすい場合もあるため、改善が見られない場合は動物病院で酔い止め薬について相談してみてください。
Q. 長距離ドライブの場合、どのくらいの頻度で休憩すれば良いですか?
目安として1〜2時間ごとに休憩を取り、車外に出してトイレや水分補給の時間を設けましょう。
高速道路にはドッグラン併設のサービスエリアもあるため、事前にルート上の休憩スポットを調べておくことをおすすめします。
また、犬の様子を観察し、落ち着きがなくなったら次の休憩を待たずに立ち寄ることも大切です。
Q. クレートとドライブボックス、どちらを選べば良いですか?
安全性を最優先するなら、シートベルトで固定できるハードタイプのクレートが最適です。強度が強く、事故時にも犬の体を守ることができるためです。
一方、クレートを嫌がる犬や、飼い主との距離感を保ちたい犬には、飛び出し防止リード付きのドライブボックスが向いています。愛犬の性格と体のサイズに合わせて選びましょう。
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(2026年5月承認)GB26-300043
