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雨の日の運転で起きやすいトラブルと基本的な対策を解説

  • 自動車・安全運転

pixta_81960637_M雨の日の運転は、晴天時に比べてリスクが増加します。この記事では、雨の日の運転で起きやすいトラブルについて、具体的なデータを元に解説します。事前にできる対策や運転中の意識づけもまとめているので参考にしてください。

雨の日の運転が危険な理由

 

 「雨の日は事故が起きやすい」ことを感覚的に理解している方は多いと思われますが、実際のデータでもその危険性が明らかになっています。首都高速道路株式会社が公表した統計によると、晴天時と比較して 雨天時当たりの施設接触事故件数は約7倍 死傷事故件数は約4倍 になっています。つまり、雨が降っているだけで、事故にあうリスクは劇的に高まるのです。 

 

雨の日の運転2

引用元: 首都高ドライバーズサイト

雨の日に事故が増える要因としては、路面状態や視界が悪いという環境面の問題はもちろん、「濡れたくない」「早く帰りたい」といった心理的な面も関係していると考えられます。自動車のドライバーだけでなく、歩行者や自転車なども同様に冷静さを失いやすい環境であると言えるでしょう。こうした複数のリスク要素が重なって、雨の日は事故率が大きく上昇してしまうと考えられます。

雨の日の運転で起こりうるトラブルの種類

雨の日の運転3

雨天時の運転が危険な理由をより深く理解するために、トラブルの要因となる項目を4つに分けて解説します。

1.路面コンディションの悪化

雨が降ると、路面が濡れて滑りやすくなります。特にマンホールや停止線の白線、路面電車のレールなど金属・塗装面は濡れると極端に滑りやすくなります。

中でも特に注意したいのが、「ハイドロプレーニング現象」。高速走行時にタイヤと路面の間に水膜が形成され、ブレーキもハンドルも効かなくなる非常に危険な現象です。時速80km以上で起きやすく、雨量が多いと発生のリスクが一層高まります。

2.視界の悪化

視界不良は、多くの事故の直接的な要因となります。フロントガラスに雨粒がつくと前方が見えづらくなり、車内外の温度差で曇りも発生しやすくなります。加えて、他の車が巻き上げる水しぶきによって、視界が一時的にゼロに近くなってしまうこともあります。

また、サイドミラーやバックミラーも同様に、濡れたり曇ったりすることで見えづらくなる可能性があります。さらに夜間や夕方の運転では、ヘッドライトや街灯の光が反射して、より視認性が低下する傾向があります。

3.歩行者などの危険な動き

雨の日の歩行者や自転車、バイクなどの動きは、晴れの日よりもずっと読みにくくなります。歩行者は傘をさして周囲が見えていなかったり、雨音に気を取られていたりしますし、バイクや自転車のライダーも、視界不良に加えて濡れたくない心理から急いでしまうことが多く、急な飛び出しや転倒が発生しやすくなります。

4.ドライバー心理

悪天候は、ドライバーの心にも影響を及ぼします。先を急ごうとしたり、焦って無理な運転操作をしたりするなど、通常時ならしない判断ミスが増える傾向があります。加えて、周囲の交通状況が読みにくくなることで、「とっさの対応」が難しくなり、結果的に事故に繋がってしまうのです。

雨の日の事故を防ぐための対策

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雨の日のリスクは、事前準備と運転中の意識の持ちようで軽減することができます。ここでは、運転前と運転中に分けて、具体的な安全対策を紹介します。

【事前準備】運転前にできること

タイヤのチェック
スリップやハイドロプレーニングを防ぐためには、タイヤの溝が十分あることと、空気圧が適正であることが重要です。タイヤ交換の目安は、溝の深さが2mm以下になった時です。もしタイヤがすり減っていたら、雨天時の走行は控えて、タイヤ交換を行いましょう。

視界確保の準備
ワイパーの劣化チェックはもちろんのこと、フロントガラスには撥水コーティング、サイドミラーには親水処理を行うのがおすすめです。雨の日でも水滴が付着しにくくなり、前後方確認を妨げません。室内側の曇りには、エアコンで車内外の温度差を調整して曇りを防ぎましょう。

灯火類の点検
ブレーキランプ、ヘッドライト、ウィンカーなどの点灯確認を忘れずに。ライトが暗かったり切れていたりすると、周囲に自車の存在を知らせることができず、危険です。

天気・交通情報の確認
ゲリラ豪雨の可能性や、冠水エリア・渋滞情報を事前に確認しておくことで、迂回ルートを選択するなど余裕を持った運転ができます。

 

【安全運転の意識】運転中に気をつけること

車間距離とスピード管
雨の日は、制動距離(車両がブレーキを踏んでから完全に停止するまでに進む距離)が通常よりも長くなります。雨の日の車間距離は普段の2倍以上を確保し、スピードも抑えるよう意識しましょう。早めのブレーキ操作で、後続車にも減速の意思を伝えられます。

急操作を避ける(3急を意識)
アクセルブレーキ・ハンドル」は、すべてスリップの原因となります。発進はゆるやかに行う、ブレーキは徐々に効かせる、ハンドルはゆっくり切ることを意識して運転しましょう。

自分の車の存在を「知らせる」
薄暗い雨の日は、日中でもライトを点灯することをおすすめします。自分が見やすくするためだけでなく、他の車や歩行者に「ここに車がいる」と認識してもらうために必要な行動です。

テレマティクス自動車保険を活用しよう

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安全運転は、一度だけの対策ではなく、「習慣」にすることで初めて成果が現れます。

この「あいおい二ッセイ同和損保アプリ」では、運転ごとの走行データが記録され、安全運転度に応じたスコアが算出されます。日々の運転が数値化されることで自分の運転を振り返ることができ、安全運転意識の向上・維持に繋がります。

安全運転スコアでは、急アクセル・急ブレーキなど、具体的な危険挙動の有無について確認することができます。 特に雨の日の走行は、視界の悪化やスリップなど普段の運転とは異なるリスクが潜んでいるので、危険運転が増えていないか、安全運転レポートやアドバイスを細かく見てみると良いでしょう。
雨の日と晴れた日のスコアを比較してみるのもおすすめです。普段は問題なく走行できていても、雨天時には特有の危険箇所や苦手ポイントが浮き彫りになることがあります。
中でもよく見られるのが、急ブレーキの増加です。雨の日は路面が滑りやすく、制動距離が長くなるため、早めの減速や十分な車間距離の確保が欠かせません。しかし、晴天時と同じ感覚で車間距離を取り、通常通りのブレーキ操作をすると、予想以上に止まれず、慌てて強く踏み込むことになってしまう場合があります。

安全運転スコア機能を利用すれば、自身の運転がどの程度安全なのかを数値で確認でき、改善すべきポイントも明確になります。スコアをチェックするだけでも安全運転意識を高めることになるので、雨の日の事故防止にもつながります。ぜひ安全運転スコア機能を活用し、習慣化してみてください。

まとめ

 

雨の日の運転にはさまざまな危険が潜んでいますが、それらの多くは「事前の点検」と「安全運転の心がけ」で回避することが可能です。

視界の確保、スピードの管理、他者への配慮、そして心のゆとり。この4つを意識するだけでも、雨天時の事故リスクは大幅に減少します。

ぜひ、日頃の運転習慣を見直してみてください。

 

(2025年11月承認)GB25-300499

この記事を書いた人
あいおいニッセイ同和損保
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