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家族の車にぶつけたら修理に保険は使える? 適用範囲について理解しよう

  • 自動車・安全運転

M29家族の車にぶつけた_TOP自宅の車庫や駐車場に車を入れようとしたら、誤って家族の車に「ガッ!」……。

 

このような経験のある方は少なくないと思われます。

 

他人の車にぶつけた場合に比べ、あまり大きなトラブルにはならないかもしれませんが、車は修理しなければなりません。

 

この際に問題となるのが「家族の車にぶつけた場合でも、修理に保険は適用されるのか?」ということです。

 

家族の車にぶつけたケースでは、一般的に保険の適用範囲がわかりにくいため、しっかりと契約内容を理解しておく必要があります。

 

ここでは、家族の車にぶつけた場合の保険の適用範囲について解説します。

任意保険の対物賠償保険とは?

任意保険のうち、車にぶつけた場合に適用できる可能性があるのは「対物賠償保険」です。

 

そこでまずは、対物賠償保険の特徴を確認しておきましょう。

他人の財物を損壊させた場合に保険金が支払われる

対物賠償保険とは、自動車事故によって他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる保険です。

 

この場合の「財物」とは、車や自転車、ガードレール、街灯、電柱、塀などを指します。

 

具体的な事故の状況としては、車同士の衝突で相手方の車を破損させてしまったケースや、電柱のような公共物、他人の家の塀、店舗などにぶつかって壊した単独事故などが挙げられます。

 

起こしてしまった事故の損害額と被保険者の責任割合をかけ合わせて 法律上の損害賠償責任額を算出し、保険金額を限度に保険金が支払われるという仕組みです。

 

要するに、人身事故以外の何かしらの「物」を壊してしまった事故は、概ね対象になると考えていいでしょう。

 

対物賠償保険の被保険者は、基本的には保険証券記載の被保険者(記名被保険者)と、契約の対象となっている車(被保険自動車)を使用・管理中の記名被保険者の配偶者、記名被保険者またはその配偶者の同居の親族、記名被保険者またはその配偶者の別居中の未婚の子となります

 

さらに、記名被保険者の承諾を得て被保険自動車を使用・管理中の者(許諾被保険者)や、記名被保険者の使用者(勤務先など)も該当します。

 

こういった被保険者の範囲は、対人賠償保険と同じです。

対物賠償保険には免責事由がある

対物賠償保険はさまざまな事故に対応していますが、どのような状況でも保険金が支払われるわけではありません。

 

いくつか「免責事由」が設けられており、それらに該当すると保険会社から保険金が支払われない場合があります。

 

たとえば、 故意に事故を起こすなど、公序良俗に反するケースは保険金が支払われません。

また、洪水で流された自分の車が他人の車にぶつかって破損させたなど、自然災害や戦争といった「異常危険」に基づく損害も支払いの対象外です。

 

そして、家族や親族の車にぶつけてしまった場合も、対物賠償保険を使えないケースがあります。

 

この点については以降の項目で詳しく解説します。

家族の車にぶつけた場合は対物賠償保険が使えないことも

家族や親族の車にぶつけて破損させた場合 、対物賠償保険の対象にならず、保険金が支払われないことがあります。

 

どのようなケースだと保険金が支払われないのか、そしてそれはなぜなのかを見ていきましょう。

誰のものを壊したかによって免責の有無が変わってくる

家族間・親族間の事故が免責になるかどうかは、壊れたものが誰のものかによって変わってきます。

 

免責になる(保険金が支払われない)のは、壊れたものの所有者が、配偶者・被保険者の父母・子である場合です。

※被保険者の父母・子に関しては、被保険者またはその配偶者と同居している場合に限ります。

※配偶者には、婚姻の相手方、婚姻の届け出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含みます。

 

一方、対物事故で破損したものが、兄弟姉妹・祖父母・孫・義父母の所有、使用もしくは管理する財物であった場合は、免責にはならず、保険金が支払われます。

 

そのため、夫が車庫入れをしていて横にあった妻の車にぶつけてしまったケースや、前を走る父親の車に娘の車がぶつかってしまったケースなどでは、保険金は支払われません。

なぜ家族に対物賠償保険が適用されない場合があるのか?

いくら家族間とはいえ 事故は事故であり、車の修理費用もかかります。

 

ではなぜ、家族の車にぶつけた場合は対物賠償保険が適用されないのでしょうか?

 

それは、夫婦や親子といった密接な関係にある者同士の間で発生した事故では、損害賠償請求は行わないのが社会通念となっているからです。

 

実際のところ、自分の親や子、配偶者に車をぶつけられたとしても、ほとんどの方は「仕方がない」で済ませて損害賠償請求をしないでしょう。

 

つまり、他人の車にぶつけた場合と異なり「家庭内の問題」として処理されるので、対物賠償保険が適用されないというわけです。

 

また、密接な関係にある者同士が共謀し、偽装事故を起こして保険金を騙し取ろうとするケースがないとは言い切れません。

 

そういったモラル面でのリスクを考慮し、特定の親族間の事故は免責としている場合もあります。

対物賠償保険にプラスして加入すべき特約とは?

以上のように、親子間や夫婦間で発生した自動車事故には、原則として対物賠償保険が適用されません。

 

とはいえ、これらの事故が実際に発生する可能性は十分ありますから、いざという時に修理費用に困らないよう、対策を打っておく必要があります。

 

そこで、家族間の事故でも保険金を受け取れるよう、車両保険に加入しておくといいでしょう。

 

また、新車で事故を起こした場合に車の買替え・修理費用を受け取ることができる「新車特約」や、車が全損となった場合に廃車・買替費用を受け取れる「車両全損時復旧費用特約」など、車の修理に関する特約を付加しておくという方法もあります。

 

他の保険とのバランスも考慮し、適切な保険や特約を選ぶのがオススメです。

自賠責保険では、車の修理はすべて補償対象外

ここまでの内容を読んで「任意保険が適用できなければ、自賠責保険を使えばいいのでは?」と考える方もいるでしょう。

 

しかし、結論からいうと 自賠責保険を使うことはできません。

 

その理由を見ていきましょう。

自賠責保険の補償対象は「人身事故」のみ!

そもそも自賠責保険とは、自動車の運転によって他人を負傷・死亡させてしまい、被保険者が法的な損害賠償責任を負った場合に、保険金を受け取ることができる保険です。

 

つまり、自賠責保険の対象となっているのは人身事故だけであり、物損事故は対象になりません。

 

当然、家族の車にぶつけて修理費用が必要になった場合にも適用されず、保険金を受け取ることはできないのです。

自賠責保険と自動車保険の違い

自賠責保険(強制保険)と自動車保険(任意保険)には、補償の対象以外にもいろいろな違いがあります。

 

最も重要な違いは、加入義務の有無です。

 

自賠責保険は法律に基づいて加入が義務づけられており、必ず加入する必要があります。

 

これは、加害者への保険金の支払いによって基本的な対人賠償を確保し、交通事故の被害者を救済するためです。

 

自賠責保険に加入しておけば、「事故を起こしたけど賠償に充てられるお金がない」という最悪の事態は避けられます。

 

しかし、前述したように自賠責保険の対象は人身事故のみで、その金額も必要最低限でしかありません。

 

これに対し、自動車保険は自賠責保険の補償額を超える額を設定できるほか、物損事故や自分の車が壊れたケースなど、さまざまな状況に対応した商品が用意されています。

 

このように、自賠責保険と自動車保険は、根本的な性質が大きく異なります。

 

家族の車にぶつけてしまった場合に限らず、いろいろな事故に対応できるようにするためにも、適切な自動車保険を選んで加入しておきましょう。

あらゆるリスクを想定しながら安全運転をしよう

自動車事故は長距離のお出かけの時だけでなく、自宅の周辺など身近なところでも起こりえます。

 

家族の車にうっかりぶつけてしまうケースも、決して珍しくありません。

 

たとえ自宅の付近や駐車場でも油断せず、常にアンテナを張り巡らせ、事故に注意しながら運転しましょう。

 

そして、万が一家族の車にぶつけてしまった場合に備え、自動車保険の内容も見直してみてください。

 

※こちらは概要を説明したものです。ご契約にあたっては必ず「各種パンフレット」および「重要事項のご説明」をあわせてご覧ください。また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」をご用意していますので、必要に応じて当社ホームページでご参照いただくか、代理店・扱者または当社までご請求ください。ご不明な点につきましては、代理店・扱者または当社にお問い合わせください。

 

(2024年12月承認)GB24-300599

 

この記事を書いた人
株式会社マムズラボ
株式会社マムズラボでは、さまざまなジャンルでライター・編集者の経験を持つクリエイターが、オウンドメディアにおける記事制作や取材ライティングなどを行っています。