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高齢の親が運転をやめない!家族ができる対策を徹底検証

  • 自動車・安全運転

M37高齢の親_TOP高速道路の逆走や、アクセルとブレーキの踏み間違いなど、高齢ドライバーの事故増加は社会問題ともいえる状況となっています。とは言え、さまざまな事情ですぐには運転免許を返納できない人もおり、悩みの種になっているご家族も多いでしょう。

この記事では、高齢の親が運転をやめない場合に、家族はどのような安全対策ができるのか、親が運転をやめない理由や事情とあわせて検証します。

高齢の親が運転をやめない理由とは?

高齢の親が運転をやめない理由には、主に以下の6点が挙げられます。

移動の足がなくなるから
荷物を運べなくなるから
仕事で運転するから
趣味を楽しみたいから
運転そのものが楽しいから
自分の存在価値を保ちたいから

上記の理由から、普段の生活で車が必要不可欠になっていることが分かります。それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

移動の足がなくなるから

バスや電車などの公共交通機関が少ない地域や、公共交通機関が使えても使い勝手が良くない場合は、車の方が移動しやすいケースも多いものです。高齢になると、定期的に病院へ通院する人もいますが、病院が近所ではなく遠方にあると、どうしても車が必要となります。車の運転に支障がない通院であれば、移動の足として車を活用する高齢者も多くいます。

荷物を運べなくなるから

スーパーなどへ買い物に行ってまとめ買いをしたり、家具を買い換えたりするときに、徒歩や自転車では多くの荷物を運べないため、車が必要だと感じます。店舗から配送してもらう手段もありますが、別途配送料がかかる場合があるほか、自分のタイミングで運搬や設置をしたいがために車を活用する傾向があります。

仕事で運転するから

仕事で使う荷物や道具を自宅から持ち出したり、車移動が多かったりすると、すぐに運転をやめるのは難しいでしょう。また、電車通勤であっても、自宅から最寄り駅まで交通手段がないと、自ら車を運転して駅まで行く必要があります。

 

働く高齢者が増えるなかで、「仕事で車を使うから」と言われると、家族も返納を勧めづらくなります。

趣味を楽しみたいから

アウトドアなどの趣味があると、公共交通機関では行けない場所に外出することが多く、家族が返納を勧めても運転をやめるのは難しいかもしれません。趣味を十分楽しむため、時間に縛られたくないという場合も多く、公共交通機関で行ける場所であっても自由度が高い車を使用したいと感じる人もいます。

運転そのものが楽しいから

自分自身の運転能力に不安を感じておらず、運転する行為そのものを楽しみたいと思っている高齢者も少なくありません。運転ができなくなると、楽しみが奪われてしまうため、免許の返納を躊躇する理由となっています。

自分の存在価値を保ちたいから

高齢者が現役だった頃は、車は経済力や社会的地位を表すステータスのひとつでした。免許を返納して車を手放すと、自分の存在価値やアイデンティティーを失うと感じるのです。この場合、家族が説得しても免許の返納は難しいばかりか、「まだ運転できる」という気持ちが強くなってしまうでしょう。

高齢者の運転寿命を延ばすことが大切

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの発表によると、高齢者が安全に運転できる期間(運転寿命)を延ばすことが、健康寿命を延ばすことにもつながると明らかになっています。

高齢の親が運転をやめないと、運転技術は大丈夫か、事故を起こさないかなどと不安に感じる家族がほとんどでしょう。しかし、高齢者だからといって、社会活動のひとつである運転をすぐにやめる必要はありません。

 

参考資料:国立研究開発法人国立長寿医療研究センター/運転中止による弊害

高齢者の運転を止めさせるリスクは

高齢者に運転をやめさせると生活範囲が狭くなり、活動量の減少によって心身の機能が低下してしまいます。これが引き金となり、うつなどの疾病を発症するリスクが高まります。

 

また、運転をやめた高齢者は、認知症を発症したり要介護状態になったりするリスクが大幅に高まるとの調査結果も出ています。特に運転を続けている高齢者に比べて、運転をやめた高齢者が要介護状態になるリスクは8倍にも上るのです。このように、運転する行為は認知機能に大きな刺激を与えていることが分かります。

運転を止めさせるタイミングは?

高齢者に運転をやめさせるべきタイミングとして、以下のようなケースがあります。

明らかに運転に問題がある(注意力散漫・交通ルールを理解できなくなるなど)
忘れっぽくなった(鍵を置いた場所が分からないなど)
操作ミスが増えた(ウインカーの左右・前進とバックを間違えるなど)

上記の症状が見られると、認知症の可能性も否定できず、運転の継続は難しくなります。家族が声掛けをして、免許を返納させることが必要です。

高齢ドライバーの高齢者講習・認知機能検査とは?

高齢ドライバーの運転能力を確かめるために、70歳以上になると、免許更新のタイミングで以下の講習や検査を受ける必要があります。

高齢者講習
認知機能検査
運転技能検査

各講習や検査がどのような目的や流れで進められるのかをご紹介します。

高齢者講習とは

高齢者講習は、運転免許証の更新期間満了日の時点で70歳以上の人が免許を更新する際に必ず受講する講習です。道路交通法で義務化された講習であり、受講しないと免許が更新できません。

 

高齢者講習では、座学・運転適性検査・実車指導の3つが行われ、合否の判定はありません。受講後に交付される「高齢者講習修了証明書」は、免許の更新手続きで必要です。

認知機能検査とは

運転免許証の更新期間満了日の時点で75歳以上の人は、高齢者講習に加え認知機能検査を受けます。これは、安全運転に必要な判断力や記憶力を測るものであり、更新期間満了日の6ヶ月前から受講可能です。

 

認知機能検査では、記憶力を検査する手がかり再生と、時間の感覚を検査する時間の見当識の2つを行います。検査の結果、認知症のおそれがあると判断された場合は医師の診断を受け、認知症と診断されると免許の取り消しまたは停止となります。

運転技能検査とは

一定の違反歴がある75歳以上の人が免許を更新するタイミングに、2022年から新たに運転技能検査が導入されました。実際に車を運転し、一時停止・指示速度による走行・信号通過などの課題をクリアできるか判定する検査です。

 

検査に合格したのち、認知機能検査と高齢者講習を経て免許を更新します。つまり、検査に合格しないと免許は更新できませんが、免許の更新期間満了日までであれば何度でも受検できます。

高齢の親の運転をしっかりと見守ろう

高齢の親が安全運転を続けるためには、本人だけでなく家族のサポートも欠かせません。健康な状態で少しでも長く運転を続けられるよう、しっかりと見守っていきましょう。

 

 

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この記事を書いた人
株式会社マムズラボ
株式会社マムズラボでは、さまざまなジャンルでライター・編集者の経験を持つクリエイターが、オウンドメディアにおける記事制作や取材ライティングなどを行っています。