運転中に地震が起きたときの正しい行動手順
運転中に強い揺れを感じたら、原則として「徐行→左寄せして停車→車内で情報収集」の3ステップで動きましょう。災害対策基本法に基づく交通規制が出された場合には、警察官の指示に従って車両を移動させる必要があります。
まずはゆっくりスピードを落とす
まずはハザードランプを点灯し、急ブレーキを避けながら徐々に速度を落としましょう。
揺れが激しいと止まりたくなりますが、急な操作は避けてください。
揺れている最中は車の制御が難しくなることがあるため、両手でハンドルをしっかり握り、無理に車線変更しないことが大切です。
まずは落ち着いて、速度をゆるやかに下げることに集中しましょう。
安全な場所に停車し、情報収集
停車する場所は、見通しがよく、落下物の危険が少ない平坦な路肩を選びましょう。
次のような場所は避けたほうが安心です。
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ブロック塀、自動販売機、看板、電柱、街路樹等の近く
倒壊や落下の危険があるため、近づかないようにしましょう。 -
ガソリンスタンドや外壁の落下・倒壊のおそれがある建物の前
危険物の取り扱いがある場所や、建物の被害が想定される場所は避けましょう。 -
バス停や交差点付近、消防車・救急車の通行を妨げる位置
緊急車両の通行を妨げる場所には停車しないでください。
周囲の安全が確認できる場合は、シートベルトをしたまま車内で待機し、スマートフォンやラジオで震源地や津波情報を確認しましょう。
なお、高速道路を走行中に揺れを感じた場合も基本動作は同じですが、本線上での停車は追突事故の原因になるため、できる限りサービスエリア、パーキングエリア、非常駐車帯まで進んでから停車しましょう。
運転中に地震が起きたときやってはいけないこと5選
1.急ブレーキ・急ハンドルで停車する
揺れを感じた瞬間、反射的にブレーキを強く踏み込んでしまう方は少なくありませんが、これは危険な行為です。地震時は車体が揺れたり、路面状況が悪化したりするため、ABSが作動しても制動距離が伸びる場合があります。そのため、早めに減速を始め、急ブレーキを避けることが大切です。
急ハンドルも同様に厳禁です。
揺れで路肩が崩落していたり、亀裂が入っていたりすると、車体がスピンしたり横転したりする危険があります。急ブレーキや急ハンドルは、後続車との衝突等、二次的な事故につながるおそれがあるため、特に注意が必要です。
2.交差点・橋の上・トンネル内・高架下に停車する
停車場所として特に避けたいのが、交差点・橋の上・トンネル内・高架下の4ヵ所です。
- 交差点:緊急車両の通行を妨げ、救助活動の障害になるため停車してはいけません。
- 橋の上:落橋の危険があるだけでなく、橋脚が損傷して通行止めになると、車をその場に残して避難しなければならなくなるおそれがあります。
- トンネル内:天井崩落や火災発生時の逃げ場がなく危険です。
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高架下:上部構造物の落下リスクがあります。
もし揺れの最中にこれらの場所にいた場合は、まずは落ち着いて揺れがおさまるのを待ち、その後、安全を確認しながら速やかに移動しましょう。
トンネル内では、出口が近い場合は無理のない範囲で脱出し、遠い場合は非常駐車帯に停車して、非常口から徒歩で避難するとされています。
3.ドアをロック・キーを抜いて避難する
意外と知られていないのが、緊急避難時には、車をすぐに移動できる状態にしておく必要があるということです。これは、救助や復旧の際に、必要に応じて車両を動かせるようにするためです。
エンジンを切り、キーはセンターコンソールやグローブボックス等、すぐ見つけられる場所に置いた上で、窓を閉め、ドアロックをせずに避難しましょう。
このとき、車検証等の貴重品は持ち出すようにしてください。
「鍵を付けたままでは車が盗まれるのでは」と不安になる方もいますが、大規模災害時には、救助や復旧を優先する対応が求められます。
もし盗難被害にあった場合の補償については、加入している自動車保険の車両保険でカバーされるケースもあるため、確認しておくと安心です。
4.携帯電話を見ながら運転を続ける
緊急地震速報や家族からの連絡が気になり、つい運転しながらスマートフォンを操作してしまう方がいらっしゃいますが、これは非常に危険な行為です。
地震時の運転は、通常以上に注意が必要です。
スマートフォンの緊急地震速報が鳴ったら、まず周囲の安全を確認しながら車を安全な場所に停め、その後で内容を確認しましょう。
もちろん、家族への連絡も停車後に行います。
「ながら運転」は道路交通法違反であるだけでなく、地震の際にはさらに危険が増します。
5.自己判断で慌てて車外に飛び出す
揺れを感じた瞬間に「車から逃げなければ」と飛び出してしまうのも危険です。
走行中はもちろん、停車後であっても、揺れている最中の車外は落下物や倒壊物、電線による感電等の危険があります。そのため、揺れの最中に慌てて車外へ出るのではなく、まずは車内で姿勢を低くして待つのが基本です。
ただし、津波警報や大津波警報が出ている場合は、揺れの収束を待つのではなく、ただちに高台など安全な場所へ避難してください。
車を置いて避難すべきか?判断基準とその方法
揺れがおさまった後に迷いやすいのが、「車で移動するべきか、それとも車を置いて徒歩で避難するべきか」という判断です。以前は、津波の心配がない場合でも、原則として徒歩で避難する考え方が一般的でした。
しかし、東日本大震災以降は、状況に応じて車で避難したほうが安全な場合もあると考えられるようになっています。そのため、避難の方法は一律ではなく、道路の状況や周囲の危険を見て判断することが大切です。
参考: 内閣府_防災情報_自動車で安全かつ確実に避難できる方策
参考: 国土交通省道路局_災害対策基本法に基づく車両移動に関する運用の手引き
車を置いて避難する際の手順
車を置いて避難する場合は、次の手順を守りましょう。
- できる限り道路の左端や駐車場等、緊急車両の通行を妨げない場所に停車する。
- エンジンを切ってサイドブレーキをかけ、エンジンキーは車内のわかりやすい場所に残す。
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車検証、自動車保険証券、運転免許証等は持ち出す。
これらは、後の事故連絡や被害確認で必要になります。
保険証券は有効なものを用意しておくことが大切です。いざというときに最新のものでなかった、という事態を防ぐため、保険会社のアプリ等でデータ管理しておくと安心です。 -
ドアロックはせず、避難する。
可能であれば、車のダッシュボードに「避難中・連絡先」と書いたメモを置いておくと、救助隊や警察が車両の状況を判断しやすくなります。
車中泊で避難する場合の注意点
避難所が満員、家族にペットや乳幼児がいる等の理由で、避難場所として車中泊を選ばれる方もいらっしゃいます。その場合は以下の点に注意しましょう。
- エコノミークラス症候群を予防するため、定期的に車外に出て軽く体を動かしましょう。
- 水分をこまめに摂り、足首を回す、ふくらはぎをマッサージする等の工夫も有効です。
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冷暖房を使う場合は、排気口のまわりに雪や瓦礫がたまっていないか定期的に確認しましょう。
排気口がふさがれると、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒を起こすおそれがあります。
また、車内の空気がこもらないよう、適宜換気や体調確認も行ってください。 - 土砂崩れの可能性がある傾斜地や斜面下、河川の近く、津波の浸水想定区域は避けて停車しましょう。
余震に注意!揺れが収まってすぐにやってはいけないこと
震度が大きい地震の後は、数日から数週間にわたって余震が続くことがあります。
ここでは、揺れがおさまった直後にやりがちな「危険な行動」を確認しておきましょう。
すぐに運転を再開する
揺れが収まった直後に、すぐ運転を再開するのは避けましょう。
まずは、余震や道路の損傷、落下物の有無等、周囲の安全を確認します。
その上で、家族の安否確認や必要な連絡を済ませ、道路が通行可能であることを確認してから、慎重に運転を再開してください。
早く移動したい気持ちがあっても、焦って走り出すと二次被害につながるおそれがあります。
被災情報を確認せずに移動を再開する
いつもの道を走行しようと思っても、橋の崩落や道路の陥没、土砂崩れ、津波の浸水等で通行できないことがあります。出発前には、自治体の防災情報や道路管理者の通行止め情報等、信頼できる公式情報を確認しましょう。SNSは現地の様子を知る参考になりますが、誤情報には注意が必要です。
一方、カーナビの渋滞情報は災害時に更新が遅れることがあるため、実際の道路状況と合わせて判断することが大切です。
信号が消えた交差点でいつも通り運転する
大規模地震の直後、停電で信号機が点いていないことがあります。
このとき、慣れた道だからといって普段通りに運転すると非常に危険です。
信号が消えた交差点では、無信号交差点と同様に左右の安全を十分に確認し、徐行または一時停止で慎重に進入しましょう。
優先関係がわからない場合は、無理に進まず、歩行者や周囲の車両に十分注意してください。
なお、警察官が交通整理をしている場合はその指示に従います。
車の状態を確認
揺れがおさまり、周囲の安全が確認できたら、運転を再開する前に車両の状態をチェックしましょう。
車両の外装・下回りの目視点検
車の周りを一周して、次の点を確認します。
- タイヤの空気圧や亀裂、エアバルブの異常がないか
- ボディに大きな凹みや傷がないか
- ドア、ボンネット、トランクがきちんと閉まるか
- ヘッドライト、テールランプ、ウインカーが割れていないか
- マフラー周辺に瓦礫や落下物がはさまっていないか
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オイルや冷却水の漏れがないか(アスファルトが濡れていないか)等
異常がある際はエンジンをかけないようにしましょう。
エンジン始動前のチェック
外装に問題がなければ、車内に戻ってエンジンを始動する前にいくつか確認します。
- ハンドルがスムーズに回るか
- ブレーキペダルの踏みごたえはいつもと同じか
- シートベルトが正常に作動するか等
問題がなければエンジンを始動します。
警告灯(エンジンチェックランプ、ABS、エアバッグ等)が点灯していないかもチェックしましょう。
警告灯が点灯したまま消えない場合や、異音・異臭がする場合は、無理に走らせず、ロードサービスを呼ぶか、安全な場所で待機しましょう。
見た目には異常がなくても、走り出してから不具合が発覚するケースもあります。
異常を感じたら安全な場所に停止し、ロードサービスを依頼してください。
周辺環境の確認
車両自体に問題がなくても、道路の状況によっては車を動かさないほうが良い場合もあります。
- 電柱が傾いていないか
- 電線が垂れ下がっていないか
- 道路に亀裂や陥没がないか
- ガードレールが破損していないか
などを確認しながら走行し、少しでも不安がある場合は、車でそのまま進まず、いったん歩いて先の道を見に行き、道路が安全かどうかを確認しましょう。もし危険がありそうなら、無理に進まず別の道を選んでください。
夜間の場合は特に注意が必要です。停電している地域では、車のヘッドライトだけが頼りになります。
視界が確保できないと判断したら、夜明けまで車内で待機する選択も有効です。
地震後に注意したい二次トラブルと事故連絡の方法
大規模地震の後は、二次トラブルで困る方も少なくありません。
ここでは、想定される二次トラブルと、被災時に役立つ事故連絡の方法を紹介します。
大規模災害時に起こる二次トラブル
災害後に起きやすいトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。
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ガス欠
停電や燃料不足、混雑等で給油所が利用できず、給油できない場合があります。 -
バッテリー上がり
車内でラジオを長時間使ったり、スマートフォンを充電し続けたりすると発生することがあります。 -
パンク
道路上のガラス片や金属片を踏むことで起こります。
これらのトラブルは、加入している自動車保険付帯のロードサービスで対応できることが多いですが、災害時は依頼が集中し、到着まで通常より時間がかかる可能性があります。
災害時は電話がつながりにくい
東日本大震災や能登半島地震のような大災害が起きると、電話がつながりにくくなり、連絡に時間がかかることがあります。
「事故にあったらまず保険会社に電話すれば良い」と思いがちですが、災害時は電話がつながらなかったり、避難所生活等で連絡が取りにくかったりする可能性も考えておく必要があります。
【おすすめ】事故連絡はアプリの活用を
このようなときに頼りになるのが、保険会社のスマートフォンアプリやWebサイトです。
例えば、あいおいニッセイ同和損保のテレマティクス自動車保険にご加入の場合、「あいおいニッセイ同和損保アプリ」から事故連絡やご契約者さま専用ページにアクセスできます。
事故対応の進捗確認や担当者とのやり取りもオンラインで進めやすく、契約内容の確認にも役立ちます。
平時のうちに登録を済ませておく
被災してからでは、「アプリをインストールしよう」「IDとパスワードを設定しよう」という余裕はありません。
いざというときに備えて、今のうちにアプリをインストールし、ご契約者さま専用ページを設定しておきましょう。
事故連絡がスムーズなテレマティクス自動車保険
テレマティクス自動車保険とは、デジタル技術を活用して取得した走行データを、事故対応や安全運転支援に活用する新しいタイプの自動車保険です。
震災時にロードサービスを呼び事故連絡をする際も、走行データを把握した上で対応が受けられるので、スムーズで的確な事故対応を受けることができます。
『テレマティクス自動車保険』について詳しく見る >
まとめ|大地震時の運転対応で命を守るために
運転中に大きな揺れを感じたら、「徐行→左寄せ停車→車内待機」が原則です。
急ブレーキ・急ハンドルは追突と横転を招くため避けましょう。
また、停車場所として交差点・橋の上・トンネル内・高架下は危険です。これら以外の見通しの良い平坦な場所を選ぶことが安全につながります。
車を置いて避難する際は、エンジンを切ってキーは車内に残し、ドアロックはしません。
これが緊急車両の通行を確保するための基本ルールです。
揺れが収まった後も、すぐに走り出さず、車両点検と周辺状況の確認を行いましょう。
今のうちにできる備えとしては、保険会社のアプリやお客さま専用ページの登録です。
最新の保険証券がいつでも確認できたり、事故連絡がスムーズに進められたりといざというときに役立ちます。
よくある質問(FAQ)
Q.運転中に緊急地震速報が鳴ったらどうすれば良い?
運転中はスマートフォンの画面を見ないでください。
ハザードランプを点灯させて路肩へ寄せ、安全に停車してから速報の内容を確認しましょう。
停車後にラジオやスマートフォンで震源・震度を確認し、揺れがおさまるまで車内で待機するのが基本です。
Q.地震後に車を動かしても大丈夫かどうか、どう判断する?
車両の外装・下回りの目視点検(タイヤ、漏れ、マフラー周りの異物)と、エンジン始動後の警告灯チェック、周辺道路の安全確認の3点をクリアしてから動かします。
異音・異臭・警告灯のいずれかが出ている場合は、無理に走らせず、ロードサービスを依頼してください。
Q.被災時に保険会社に連絡するときに必要な情報は?
証券番号、契約者氏名、車両情報(車種・ナンバー)、事故発生日時と場所、被害状況の5点が基本です。
災害時は電話がつながりにくいため、保険会社が提供するアプリやお客さま専用ページからの連絡が確実です。被災してから登録するのは難しいため、平時のうちにIDとパスワードの設定を済ませておきましょう。
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